ぎっくり腰

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは、重い物を持ち上げようとした時や、中腰になった時、腰を捻った時などに起こる急性腰痛症のことです。腰の筋肉、筋膜、靭帯、関節、椎間板などに強い力がかかり、耐えられずにこれらの部分が損傷されて発症します。

ぎっくり腰の診断

ぎっくり腰の診断ぎっくり腰の診断は、はっきりとした原因になるような事があったかどうかが重要です。重いものを持ち上げようとした、中腰になった、腰を捻った、などの腰に負担がかかるような事があって腰痛が生じたのであれば、ぎっくり腰といっていいと考えられます。下肢に痛みやしびれがある場合は椎間板ヘルニアが生じている事があります。高齢者では、骨粗鬆症が元にあり、圧迫骨折が起こっている場合がしばしば見られます。

一方、ぎっくり腰とは違う腰痛として、癌が転移して腰椎が弱くなって骨折を起こしている場合があります。また、発熱を伴うものでは、化膿性脊椎炎といって、腰椎に細菌感染が生じて腰痛を引き起こしているような場合もあります。

また、特に腰に負担がかかったという事がなく腰痛が出現し、腰の姿勢にかかわりなく痛みを感じる場合は、腰以外が原因していることがあります。尿路結石で腰痛を訴える場合はよくあります。膵炎、胆嚢炎でも腰痛が生じることがあります。その他、急を要するものとして胃潰瘍で胃に穴が開いた時、命に関わる疾患として心筋梗塞や大動脈解離による腰痛もあります。

各種徒手検査、レントゲン撮影、必要に応じて血液検査、尿検査、心電図、MRI検査などを行い、このような疾患を鑑別して診断をします。

ぎっくり腰の治療

ぎっくり腰になってすぐは、アイスノンやビニール袋に氷を入れたもので痛めた部位を冷やして下さい。この時、皮膚を傷めないように、タオル等を1,2枚当てた上から冷やして下さい。2~3日は安静にして下さい。痛みが和らいできたら、少しの痛みは我慢して少しずつ動くようにして下さい。安静にし過ぎているとかえって回復を遅らせてしまいます。 重い物を持ち上げようとした、中腰になった、腰を捻ったなどの、はっきりとした原因がなく腰痛が生じた場合や、じっとしていても痛む際は、重篤な疾患の可能性もあるので、早めに受診して下さい。

診察した上で、腰の筋、筋膜、靭帯、関節、椎間板などから痛みが生じていると診断できた場合、消炎鎮痛剤の内服・湿布の処方、リハビリにて治療を行います。当院のリハビリでは、理学療法士、柔道整復師などの国家資格を有する者が丁寧に施術、指導を致します。必要に応じコルセットを処方する場合もあります。また、早く痛みを取り除きたいという方には、ブロック注射、トリガー注射などを行う事もあります。

適切な治療をせずに長引かせてしまうと、慢性腰痛に進んでしまう場合がありますので、早めに受診をして下さい。

ぎっくり腰の予防

ぎっくり腰は、再発したリ慢性腰痛になってしまうことがあり、予防が大切です。

  • 洗顔で前屈する際、膝も少し曲げる。
  • 下の物を拾うとき、腰や背中をあまり曲げないで、膝を曲げるようにする。できればたて膝をする。
  • 重いものを持たない。
  • 急に腰を捻らない、急に伸びをしない。
  • 寝るときは、少し硬めのベッドにする。
  • 横向きで寝る。仰向けで寝る際は膝下にクッションなどを入れて、膝を少し曲げておく。
  • 朝起きるときは、横を向いて一旦腰を丸めてから、手をついて起きる。
  • 椅子に座るときは、背もたれにつくように深く座る。
  • 1時間に一度は椅子から立って、体を動かす。
  • 靴は、歩きやすいものを履く。
  • 体重を増やし過ぎないようにする。
  • 腹筋、背筋の筋力トレーニングをする。
  • 腰痛体操などをして体の柔軟性を保つようにする。

以上のようなことを日々行うようにして下さい。

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