四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
肩が痛い・腕が回らないといった症状には要注意!!
- いきなり肩に激痛が起こった
- 着替える際に、肩が強く痛んだ
- 寝返りで激痛が起こり、夜中に目が覚めた
- 肩から腕にかけて痛みがある
- 痛み自体は落ち着いたが、腕を上げられない
- 腕を背中に回せない
- 手を頭上に上げられない
上記のような症状がある場合、肩関節周囲炎が疑われます。発症する時期が40~50代のことが多いため、一般的には四十肩・五十肩と呼ばれています。痛みに気付いた時点で適切な治療を受けないと、痛みが治まってからも肩の可動域が狭くなり、動作がうまく行えなくなって生活の質を大きく低下させてしまいます。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)とは
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、関節の動きをスムーズにする滑液を作っている関節包に炎症が起こり、関節包が分厚くなって症状を起こしているとされています。 特にきっかけや予兆なく、ある日突然強い痛みを生じ、数週間から数か月かけて悪化します。
動かすと強く痛みを起こし、また腕を上げられなくなるため、衣類の着脱やシャンプーが難しくなるなど、日常の動作や家事に支障を来します。女性の場合は特に、ブラジャーの着脱がかなり厳しくなります。 痛みがピークにある時期には、眠れないほど痛む夜間痛や、夜中に寝返りで激しい痛みを起こして目覚めてしまうこともあります。
また日中、何もしなくても強い痛みが続くこともあります。 痛みのピークは1か月程度経過すると徐々に軽くなりますが、無理をすると強い痛みをぶり返しやすいため注意が必要です。
四十肩・五十肩の治療
痛みが強い場合には、痛み止めや湿布を処方し、ステロイド剤の注射・ヒアルロン酸注射・ブロック注射などを行うこともあります。
痛みが強い際には安静を保つことが重要ですから、無防備に動かさないよう腕を三角筋でつる、座る場合は必ず肘掛けを使う、就寝時に腕の下に枕やタオルでちょうどいい高さのクッションを置くなど、腕から肩への負担を軽減するよう心がけましょう。
凍結肩について
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)で関節包の炎症が続くと、関節包が分厚くなり、強く癒着してしまうことがあります。癒着によって腕が上がらなくなってしまった状態を凍結肩と呼びます。かなり悪化した状態のため、治療にはある程度長い期間がかかります。
腱板損傷・断裂について
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と症状が似ていますが、腱板という組織が損傷や断裂を起こしていることがあります。腱板は4つの筋肉の腱が板状に集まったもので、肩を安定させるために不可欠な組織です。この腱板が擦り切れてしまっている状態が腱板損傷・断裂です。
加齢による変化で生じることが多いのですが、外傷やスポーツによるオーバーユースなどの負荷によって損傷を受けることもあります。 自力で腕を上げる・動かすことはできませんが、反対の手などで手伝うとスムーズに腕を上げて動かすことができます。
痛みが強く出る場合があり、冷えによってさらに痛むこともありますが、ほとんど痛みを起こさないこともあります。 とても小さな損傷の場合は自然に治癒することもありますが、断裂した場合には保存的療法では治すことができず、手術などの検討が必要になります。